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彼女の呪い

みなさん、忙しいようです。


相方すら帰ってきません。そんな時期です。


留守番係のシノダはひたすら待機です。


ヒマ。


そしてさみしいね。


と、いうわけで日記の話はいつ提出してくるのか分かりません。


なんだかアレなので、おそらく昔トクザワさんがあげたのをUPしておきます。


彼女の呪い



昔々ある国に大変美しい若者がおりました。
彼は美しい姿と美しい声でたくさんの女性を魅了しました。
彼はその美しい瞳にふさわしい情熱的な心を持っていました。
そうして自分に等しく美しいものを愛することに心を砕きました。



彼は決して裕福ではありませんでした。
けれども美しいものを憎む人はそういません。
なので彼はひもじい思いをすることはありませんでした。
美しい彼は美しい恋愛のことを考えていれば生きてゆけました。



中には彼のことをろくでなしと評する人もいることにはいました。
けれども人々は醜い、或いは平凡な者のやっかみだと受け取り続けました。
並べて世は多数決なのです。

不平不満をいう輩の大半は彼に可愛い恋人を奪われた連中だったので尚更そう思われました。
しかし彼らの言い分が総て間違っていた訳ではありませんでした。



彼は美しい姿に美しい声。おまけに聡明で自分が持って生まれた才能を遺憾なく発揮しました。
そうしてその力を利用して情熱のおもむくままに数多の女性に愛を囁きました。
数多の女性に。



彼はとても情熱的でした。
しかしながらその情熱は一月ともった試しがありませんでした。
正確には、次の瞬間には新たな愛を求めて情熱を燃やしていたのです。
必然的に彼の通った後にはたくさんの愛の亡骸が続きました。


円満に終わった愛もあることにはありました。
けれど彼はあまりにも美しすぎたため数多の女性が泣きました。

泣いても脅しても死んでみせたって彼の興味は戻りませんでした。
彼には新しい愛こそが最も美しくみえたからです。
彼は死ぬまでその生き方を貫きました。



死因はチーズを喉に詰まらせたための窒息死でした。
確かに彼は一部の人々からは疎んじられてはいました。
しかしそれは本当に一部の人々でした。
自らの人生を破滅させるような犯罪に手を染めてまで彼を亡き者にしよう。
などとは誰も考えなかったからです。
そのころには彼も結構な高齢だったからでもあります。





長い空白。





彼の魂は再び体を手に入れました。
平凡な顔に平凡な姿。
彼女には前世の記憶は少しも残っていませんでした。
しかし鏡を見るたびにいつも少し不満そうな顔をしました。



彼女の時代は彼の時代に比べると随分と物騒になっていました。
けれども彼女はたくさんの優しい人々に囲まれていました。
お金も知性もそこそこありました。
要するに彼女は運が良かったのです。



成長した彼女に恋人ができました。
恋人は彼女によく似た父親を彷彿とさせる平凡な青年でした。
平凡だけれどそれなりに優しい人でした。
平凡だからこそ彼女も一緒にいて落ち着けました。



そんな人生に不幸らしい不幸がやってきました。
彼は別の女性にも愛を囁いていたのです。
すぐに別れが決まりました。
去り際に彼女はこれまでにない位に泣いて罵りました。



駅構内の化粧室の中。
彼女は気づいてしまいました。



化粧室を出たときに丁度着信音が鳴りました。
めったに表示されないその番号は彼女の母親のものでした。



泣きながら喪服で彼女にすがりつく母親を宥めている時。
彼女は気づいてしまいました。



それでも彼女はなかなか納得することができませんでした。
なので横で眠る母親を起こさないように注意をしながら携帯を操作しました。



卒業以来目にしなかった親友のアドレスを目にした時。
彼女はとうとう気づいてしまいました。




私、愛されるばっかりで愛したことはなかったのね。




彼女はそれ以来悩み続けました。
あれほど大好きだった化粧も一切しなくなりました。
髪も根元が黒くなってしまってみすぼらしくなってしまいました。
食欲も少なくなってしまった為に醜く太ることはありませんでした。
しかしその表情はお世辞にも可愛いとは言えないものでした。



母親や同僚は彼女を心配しました。
優しい言葉をかけてくれる人に彼女は恵まれていたのです。
けれどもその度に居た堪れない気持ちにかられるのでした。
それは彼女が普通に育てられたからです。
彼女は愛情がないのに道徳心を持っていたからです。



次第に外出もしなくなりました。
そして自分はもう居ないほうがいいのではないかと思うようになりました。
ろくに働かなくなってしまった彼女を支えているのは老いた母親なのです。
しかも彼女は母親のことを愛していないことを痛いほどわかっています。



彼女はいつものように万年床で横になっていました。
そうして自分が元から居なかった、という妄想を働かせていました。
そうしていつの間にか眠りに落ちてしまいました。



彼女の夢の中に知らない男が現れました。
まるで俳優のようなきれいな顔をした男性でした。
彼は夢の中ですら一番美しいときの自分で現れたのでした。



彼は彼女の現在の問題は一切自分に関係ないと言いました。
けれども若干申し訳なく思っているとも言いました。




総ては助けてあげられないだろうけれど、君がそれができるように努力するのなら。




そう言うと彼は自分の情熱を彼女に与えました。

目が覚めた彼女は泣きすぎて目が腫れていることに気がつきました。


洗面所で顔をすすぐとひどい髪形の女性が鏡に映っていました。
美容院を予約して証明写真を撮りに行こうとしました。
しかし休職状態だった彼女にはあまりお金がありません。



彼女は母親を起こしに行きました。
総てを話すことを決めたのでした。



This work was made in commemoration of sheena EXECTIVE.



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プロフィール

JuhlaSisko シノダ

Author:JuhlaSisko シノダ
シノダ レイコ

1987年 5月生まれ。
JuhlaSisko、制作担当。
三度の飯と同じくらい編み物が大好き。生まれも育ちも茨城。


ミコシバ デミコ

1987年 10月生まれ。
JuhlaSisko、設計担当。
口も悪いが手も早い。生まれも育ちも茨城。


【活動歴】
2009年   創作人形ユニット「雑用姉妹」結成。

2010年5月 デザインフェスタに初参加。

2014年   創作人形ユニットから創作編みぐるみユニットに。
      このころから作品の販売を開始する。

2015年末  本格的に作品の販売活動を始める。

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