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シノダからみた家主

第6話はchoresistersシノダが担当。以前に椎名さんと話していてこんな感じがしたんだそうです。



#006 slug
あたしのところは家事分担制。今までの男はご機嫌とりなのか、そのほうがよりよく見えると思っていたのか知らないけれど、とにかく「やれ」とは言ってこなかった。だから別段できないわけではなかったがやらなかった。あたしの風貌からそういうものは要求しても出来ないと思っていたのかもしれない。でもあいつは「俺がやるんだから、お前もやれ」という内容のことを結構早い段階で言ってきた。だから今は何も言わなくてもやれる時はやる。

とくにお風呂は時間的な問題であいつでは掃除する時間が絶対にとれない。だからやる。
あたし一人だったら浴槽は使わないで済むのだけれど、面倒くさい事にあいつはつかりたい人だ。それに夏は本当に面倒くさい。此処は田舎だからかナメクジが発生するのだ。ナメクジは見た目的には可愛いと思う。触った感じも悪くはない。だから見かけても命は助けてやる。けれども。

屋内というエリアまで侵入してきた場合には別だ。その場合は侵入者として容赦なく制裁を下す。昔は排水溝に流し落すだけにとどめて置いたものだが直ぐにそれでは手ぬるい事が判明した。壁を伝って再び侵入を試みるからだ。現在は洗剤をかけると即死することが分かった為この方法を採用している。熱湯は効果的ではあるが直ぐに死ねないのがかわいそうだ。

家事という単純作業をしているとなんだか気分が悪くなるような気がする。その為、ipodの歌を口ずさみながらすることにしている。機械関係は説明書を読んだりするのが面倒くさくて嫌いだけどこれは必要に迫られて覚えた。だけどジャケット写真をどうやって入れればいいのかが分からない。必要ないから勉強する気はない。

逆に必要に迫られれば直ぐに勉強を始める。英会話自体には全く興味がなかったけれど和訳されていない本や、和訳ではおそらく微妙に意味が変わってきてしまうだろう歌詞などに興味があったから覚えた。最近のお気に入りはカーディガンズ。「lovefool」が一番世間的に有名だと思う。タイトルでピンと来なくてもサビまでくれば絶対に分かる。その曲調の明るさであいつはなにか勘違いしていたらしく和訳を見せてやった時、物凄く落胆した顔を見せてくれた。おもしろかったからカーディガンズの他の曲の和訳も見せてやった。別にそこまで失恋の曲ばかりかいている訳ではないと思うし、それが好きなわけではない。ボーカルの人の声が気に入ったのだ。

でも全く歌詞に興味がないわけではない。だからこそ英語を勉強する気になったのだから。
因って最近の若者向けの曲はほとんどしっくりこない。少し前に、お前の好きな昭和歌謡の特集がある、とあいつに教わって、みていたテレビに半田健人という俳優が出ていたが気が合いそうだと思った。

どういう人か気になったら直ぐに調べる。知りたがりだからだ。知りたがりが故に習得する能力があるのは大きなメリットだが周囲は迷惑なようだ。幼いころ本の内容が知りたくて、母親がいなかったため父親に読むように何度も要求した。初めのうちこそは快く応じてくれていたがそれが四六時中になってくるとさすがに読んでくれなくなった。仕方がないから字を覚えた。インターネットの使い方はこの為に覚えたようなものだ。ウィキペディアは本当に便利だと思う。色々なところを見て回るほどの興味がないときには有効だ。

たまに関係ない情報が入ってしまうことがインターネットの不便なところだが、その関係ない情報の方にむしろ興味を持ってしまう時もある。気になったら調べてしまうが、本やオンラインの情報だけでは不十分だ。そんな時には現地まで行ってみてくる。気になるからだ。役に立つとか立たないとかは途中で行き詰ったときに続行するしないの決定時にはじめて考える。それでも気になるときにはもちろん調べる。そんな訳であたしは目が不自由なわけでもないし、ボランティアをするわけでもないのに点字の読み書きができる。

全ては気になるか気にならないか、と言っても過言ではないかもしれない。はっきり言って初めて男女関係を知ったのも要求されたこともあるが気になったのが動機。気に入ったら生活の一部に取り入れるが、そうでもない時には忘れてしまう。女らしくないのは女らしい事柄に興味が湧かなかったからだ。気になるから化粧の勉強もしたことがある。でも余り気に入らなかったので今はしない。

レース編みや金属加工に興味を持って、体験できるところまで足を運んだこともある。はっきり言って役には立たないことがほとんどだけど、知り合いが出来ることがメリット。必要なければ外出をしないあたしにとってこれは大きなことだ。けれど、興味の向く対象が偏っているので、良くいえば職人気質、悪くいえばオタク属性の強い人物が多い気がする。女の子は「友だち」になると頻繁に連絡をしてくれる。用があろうとなかろうと。最近もっとも連絡をよこす人物は、球体間接人形の工房で知り合った女の子だ。球体間接人形はなぜかよくロココ調の服を着ている。その女の子も田舎ではあまり見かけない感じのファッションをしていた。今度調べてみようと思う。

自室にこもって絵を描いていたらあいつが帰ってきたようだ。あいつはご飯は作ってくれるので他にやりたいことがあるときに非常に助かる。手間がかかるから作らない料理なども作ってくれる。料理が好きなようだ。

分からないことは調べるけれど、調べても勉強しても分からないことはたくさんある。車の免許は色々な問題があって貰えなかった。あたしには空間把握能力が驚異的に欠如しているらしい。今度あいつに、どうやって曲がるときハンドルをどのくらい回転させるのかを判断しているのか訊こうと思う。宗教関係については未だにわからないし、興味が持続しているので調べ続けている。

これの難しいところは関係者はみな「信じるところ」からスタートしていることだ。あたしは理解したもの、身体的に認識したものしか信じることが出来ない。けれど関係者であろうと信じていない人には一番根幹の知りたいところが分かっていないようなのだ。これは難しい。同じく無神論者のあいつの意見を訊いてみたら、それ以上突き詰めるのは悟りをひらこうとしているのと同じことだ、と窘められた。だけど気になるからやっぱり調べることにする。

そして今もっとも気になること。
「おかえり。」
「ただいま。」
「訊きたいことがあるんだけど。」
「またかよ。何なの。」
「なんであたしと一緒にいるの。」
こう質問すると皆困った顔になる。父親に質問した時は、子どもだから、と返ってきた。なんとなく理解できる。

だけど、
「愛してるから、とかなのかね。こういうことが訊きたかったのか。」
「違う。そっから先のこと。」
この概念が理解できない。要するに、

「なんで、愛するようになったの。」
女性的な魅力が自分に全くない事は小学生あたりで気が付いている。こういう人物に魅力を感じる人間もいることは知っている。しかしかなりの少数派とされるような人種だ。普通にサラリーマンをやっているこいつとは対極に位置する。まあこいつはナルシストなところがあるけれど。違うのだろう。
あたしは平均より年の割には収入がある。それに目を付けた人間もいることにはいた。こいつはケチだが金の無心はしてこない。これではない。
ノーマルだし、あたしの外見からしてカムフラージュの可能性もない。
誰でもよかった、という理由にしてはこいつは外見が整っている方だと思う。これも違う。家事もやるからそういうことも違うのだろう。

あいつは、
「わからないから、考えとくよ。」
というと、また料理の方に意識を戻した。

あたしはかなりの難あり商品だ。なぜ同居するまでに至ったのかが俄然気になる。
だから今はまだこいつと別れる気にならない。
Fin.


だそうです。

普通の感覚からするとどっちも切ないものがある。どう続けましょうか。

ツヅク

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プロフィール

JuhlaSisko シノダ

Author:JuhlaSisko シノダ
シノダ レイコ

1987年 5月生まれ。
JuhlaSisko、制作担当。
三度の飯と同じくらい編み物が大好き。生まれも育ちも茨城。


ミコシバ デミコ

1987年 10月生まれ。
JuhlaSisko、設計担当。
口も悪いが手も早い。生まれも育ちも茨城。


【活動歴】
2009年   創作人形ユニット「雑用姉妹」結成。

2010年5月 デザインフェスタに初参加。

2014年   創作人形ユニットから創作編みぐるみユニットに。
      このころから作品の販売を開始する。

2015年末  本格的に作品の販売活動を始める。

minne

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